自分が主人公だと思い込む上司と『トゥルーマン・ショー妄想』
あるある!こんなシチュエーション
「みんな俺のこと見てるよな」「この会社は俺を中心に回ってる」自意識過剰にも程がある上司。世界はあなたのためにあるわけじゃないんですが。
実践!こう使え!
自己中心的な発言を聞いたら「トゥルーマン・ショーみたいですね」と映画評論風に。ジム・キャリーの演技力の話に持っていけば角が立たない。
詳しく解説!雑学のコーナー
トゥルーマン・ショー妄想(The Truman Show Delusion)は、1998年のジム・キャリー主演映画『トゥルーマン・ショー』から名付けられた心理現象で、自分の人生が隠しカメラで撮影され、世界中に放送されていると信じる妄想性障害の一種です。 映画では、主人公トゥルーマン・バーバンクの人生全体が巨大なテレビセットの中で繰り広げられ、彼以外の全員が俳優という設定でした。この映画は公開当時、リアリティ番組の倫理性やプライバシーの問題について社会的議論を巻き起こしました。興味深いことに、映画は後のソーシャルメディア時代を予見していたとも評価されています。 2008年、精神科医のジョエル・ゴールドとイアン・ゴールドが、実際にこの種の妄想を持つ患者を複数報告し、正式に「トゥルーマン・ショー妄想」と命名しました。彼らの研究では、ソーシャルメディアの普及とともにこの症状を訴える患者が増加していることが示されています。 心理学的には、これは「自己中心性バイアス」の極端な形態と考えられています。コーネル大学の研究では、人は自分が他者から注目されている度合いを平均して実際の2.5倍過大評価することが判明。これを「スポットライト効果」と呼びます。 組織心理学では、「ナルシシスティック・リーダーシップ」という概念と関連します。ペンシルバニア大学の研究によると、自己愛的傾向の強いリーダーは短期的には革新的な決定を下せる一方、長期的にはチームの士気を平均35%低下させることが示されています。 現代のソーシャルメディア環境は、この現象を助長する可能性があります。インスタグラムやTikTokなどで「自分の人生を演出する」ことが当たり前になった結果、現実と演出の境界が曖昧になっているのです。MIT メディアラボの調査では、SNSヘビーユーザーの約23%が「常に誰かに見られている感覚」を報告しています。
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