意味のない仕事を作る上司と『ブルシット・ジョブ』
あるある!こんなシチュエーション
「このエクセル、PDFにして、印刷して、スキャンして、メールで送って」...え、最初からPDFでよくない?
実践!こう使え!
無駄な作業を頼まれたら「これってブルシット・ジョブの典型例かも」と小声でつぶやく。聞こえたら聞こえたで、聞こえなくても別にいい。
詳しく解説!雑学のコーナー
ブルシット・ジョブ(Bullshit Jobs)は、2013年に人類学者デヴィッド・グレーバー(David Graeber)が提唱した概念で、2018年の著書で詳細に論じられました。 グレーバーは、ブルシット・ジョブを「完全に無意味で、不必要で、有害でさえある仕事でありながら、その仕事に就いている本人でさえそうだと感じているにも関わらず、そうではないと取り繕わなければならない仕事」と定義しています。 彼は5つのタイプに分類しました。まず「取り巻き(Flunkies)」は誰かを偉く見せるためだけに存在する仕事です。次に「脅し屋(Goons)」は他者に害を与えることが主な仕事で、悪質な営業などが該当します。「尻ぬぐい(Duct Tapers)」は組織の欠陥を一時的に修正する仕事、「書類穴埋め人(Box Tickers)」は組織が何かをしているように見せるための書類作成、そして「タスクマスター(Taskmasters)」は他人に仕事を割り当てるだけの中間管理職を指します。 YouGovの調査では、イギリスの労働者の37%が自分の仕事が世界に意味のある貢献をしていないと回答。オランダでは40%という結果も出ています。 興味深いのは、社会的に本当に必要な仕事(看護師、清掃員、教師など)ほど給料が安く、無意味な仕事ほど高給という逆説的な現象です。グレーバーはこれを「倒錯した労働倫理」と呼び、資本主義社会の根本的な矛盾と指摘しています。
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